卒論テーマ! 森のようちえんで できることって何?

森のようちえん「てんとうむし」

2016年10月22日 09:14




大学4年生が、卒論研究に来てくれました。
森のようちえんの活動を半日見学してくれた後、質問をいただいた中のひとつ。

「通常の幼稚園,保育園と、森のようちえんの違いは何ですか?」

よく聞かれる。文章にするのはとっても難しいから、いちど体験に来てー!っていうのが本当のところ。

でも、一度ぐらい、ブログに書いてみよう。
。。。。。。。。。。。。。。。。

通常の園は、文科省、厚労省の管轄下にある認可園。
森のようちえんは、今のところ、認可外園です。

日本の義務教育は小学校からなので、それまでの期間を、
どこでどう過ごすのかは、家族の考え方次第。

自宅から近い園に決めてる人もいれば、
片道車で30分かけてインターナショナルスクールに行ってる人もいる。
運動系の園に通う人もいたり、独自の保育プログラムを持ったところを気に入っている人も。

認可されてるから安心と考えるか、義務教育前の時間は、認可の規定内におさまらず、
自由に過ごしたいと考えるか、個人の自由です。

上記の大学生さんからの質問には、個人的な考えで、こう答えました。


森のようちえんで できること


●火を使える。
小さくても、マッチはどうやって擦ったら安全か知っているし、火が消えそうな時も上手に火をつなぎます。
最近は自然教室に行く年齢〈小5年〉でも、マッチを擦れない子が多いですが、
火を上手に扱えるかどうかが、災害時などに、生きる力の差になります。
火を扱うときって、頭フル回転。つけ方も,消し方も大事。

●壊せる。
既存の遊具はこわせませんが、木の枝や、ダンボールなどでつくったオモチャは、壊せる。
壊している子供たちの目の輝きをみると、どれだけ楽しいか一目瞭然。
それが、何かに役立つか役立たないか、遊びには関係ないこと。
壊せるものこそ、こどもの想像力を刺激してくれる。

●失敗できる。
うまくいかないことを、たくさん経験して欲しいから、失敗してもいい環境を作っています。
人は、失敗がこわいと、何もできない。
対人関係も、物に対しても、失敗して学ぶことはとても多いから、
大人が失敗しないよう先回りすることのないように気をつけています。


●こどもの発想や、こどもの時間を大切に。

こっちがいいんじゃない?こっちのほうがうまくいくのに。って思うのは大人だけ。
こどもだって、好きにやりたい!
自分のこども時代を考えたら誰でも納得するはず。
どうするのかなぁ?と眺めていると、結構オモシロい!

●ケガもできる。
切り傷、擦り傷はなおります。心の傷を負うよりずっといい。
ちょっとくらいケガをしてでも、こどもがやりたいことは、安全に最善の注意を図りながらさせています。


●満足するまで、遊びをやり遂げられる。
森のようちえんは、時間の区分がないから、やりたいことはとことんできる。
「給食の時間なので片付けてね!」などと途中で終わらせなくてもいいから、ものすごい集中して遊びます。
現在小学生になった長男は、これが一番の魅力だと話してくれます。


そして、森のようちえん てんとうむしには園舎がない。
(園舎があるところもあります、あったらいいな~と思うこともあります)

ということは、固定資産税もない、保健所の検査もない。
自分の机もないし、ロッカーもない。
何もないから、自由であり、不自由です。

不自由なのも、とっても貴重な時間。
ないからこそ、じゃあどうしよう?これで代用したらどうかなぁ?と、想像力が働くのが人というもの。

その不自由な自由が好きな人、が森のようちえんを選んでいる。

私はそう思っています。


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